こんにちは。積立NISAは20年間投資で得た利益が非課税になります。通常は運用益に20.315%の税金がかかるので、それが20年間かからないのは大きなメリットです。
複利の効果と非課税メリットを最大限受けるために、基本的には20年間売却しないのが定石です。20年間運用した後は、売却するか課税講座に移すかを選択することになります。
たまに20年後に暴落が来たらどうするのか?という意見がありますが、あまり気にする必要はないと思います。要するに、売りたければ売ればいいし、運用を続けたければ課税口座に移して続ければいいのです。
なんだそれって言われそうなので、もう少し数値的に考えてみたいと思います。暴落を気にする人は元本割れを気にしていると思います。20年間運用しても最後の年に暴落によって、株式が評価損になると、その後株価が回復しても、売却時は評価損部分に課税されてしまうからです。
例として、簡単に10万円で考えます。今年10万円投資し、20年間運用したところ最終的に株価が暴落し5万円になったとします。21年目以降に株価が回復し15万円になったので売却しようとした場合、税金は評価益の5万円ではなく、暴落時からの上昇分の10万円に対してかかります。
こうなると積立NISAをやらない方が利益が出ます。積立NISAなんかやらなければ良かった…となるのです。
ここで違う方向から考えたいのですが、20年間運用し続けた株式が評価損になる暴落とはどの程度の暴落でしょうか?
S&P500の過去30年間の利回りは年10%ほどになりますが、仮にその半分の年利5%で19年運用すると、10万円は25.8万円になります。これが20年目の暴落により評価損になるには、1年で61パーセント以上の下落が必要です。61%下落して初めて投資元本の10万円になるということです。
S&P500はリーマンショックで、1年4ヶ月かけて57%下落しました。1年で61%下落するというのは、リーマンショックを上回るスケールです。
あり得ないわけではありませんが、数十年に一度起こるかどうかというレベルです。
仮にそれだけの暴落が起こったとして影響を受けるのは20年前に投資した40万円です。その後、コロナショックの時のように株価が暴騰すれば元本割れし続ける確率は低いです。
20年後の暴落という事は、裏を返せば投資経験を20年積んだ上での暴落です。20年間で多少の株価下落を経験し、下落時も買い続ける事で株価上昇の恩恵を受けた経験があれば、絶好の買い場と考える自分がいるかもしれません。
私は幸いにも投資初期にコロナショックを経験することができました。暴落中は後悔もしましたが、投資を継続し株価の急激な回復による資産増加を実体験することができました。
株価の回復を待つことができれば、暴落は怖くないのです。
コメント